ハリモグラのレビュー

直接的に刺さる社会風刺アニメーション「The Walk Home」

直接的に刺さる社会風刺アニメーション「The Walk Home」

2015.04.20映像作品

暴力・ドラッグ・貧富の差など、社会の暗いテーマを直接的な描写で描いた、社会風刺的アニメーション「The Walk Home」をご紹介します。

ショートアニメーション「The Walk Home」

ロンドン在住のアーティスト「Steve Cutts」さんの映像作品「The Walk Home」は、人間社会に潜む暗い一面を、一人の少年を通して描いたアニメーション作品です。

Steve Cuttsさんの作風は、風刺的でメッセージ性の高いストーリーを、ポップなビジュアルで表現する印象がありましたが、本作は、風刺的な面をよりダークに直接的な描写で描いており、暴力に満ちた世界から、飲酒・ドラッグ・富裕層と貧困層まで、社会にあふれる様々な暗い問題を、弱々しい少年の目を通して語っています。

広がりのある空気感

The-Walk-Home01

アニメーションだけでなく、イラスト・絵画・彫刻も専門のアーティストさんなだけに、平面的な2Dイラストレーションの中に、3D表現やライティング表現などを上手く取り入れて、広がりのある奥行きと独特な空気感を創りだしています。

グロテスクと薄弱さ

The-Walk-Home02

社会的な問題点は、奇妙でグロテスクな描写で表現され、犠牲となった人々は繊細さや薄弱さを感じさせる描写となっています。その対比は、双方の立ち位置をより一層印象的にしています。

単純な善悪ではない

The-Walk-Home03

特徴的な彩色で、人間の醜さや身勝手さなどの「暗い問題」が強く印象づけらる一方で、眩しい光によって、憎悪の殻が剥ぎ取られていくようなシーンでは、美しい光に包まれて醜さが浄化され、かすかな希望が生まれる「穏やかさ」を感じることもできます。

もしかすると、暴力的に描かれているスラムの人々も、一人ひとりが社会の犠牲者なんだというメッセージが隠されているのかもしれません。

Steve Cuttsさんの作品は、下記リンクからどうぞ。

YouTube/Steve Cutts
Vimeo/Steve Cutts
Steve Cuttsサイト

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